苔むした日記帳: 【日本酒備忘録26】山廃特別純米サケ×サケ大洋盛

山廃特別純米サケ×サケ大洋盛

製造者　　　　大洋酒造株式会社

精米歩合　　　60％

アルコール分　15度

日本酒度　　　+3

酸度　　　　　1.9

原料米　　　　五百万石等

購入価格　　　1500円くらい税込/720 ｍL

今回は新潟県村上市の日本酒、大洋盛です。またまた大洋盛です。村上市に立ち寄る機会があり、塩引き鮭を「千年鮭　きっかわ」にて見学しました。鮭が何百匹も吊るされている光景を間近で見ることができます。見学したついでにお隣の酒屋さんで大洋酒造の日本酒を複数購入しました。

今回飲んだのは山廃特別純米サケ×サケ大洋盛です。ラベルには鮭の頭が描かれており、瓶の曲線が鮭の胴体を表しているかのようなデザインです。注ぎ口は尻尾。～「鮭・酒・人情（なさけ）のまち」村上から～、「鮭料理に合う酒」として開発された日本酒です。おそらく地域限定。

グラスに注ぐと、きれいな透明。今まで飲んできた日本酒、特に山廃は黄色みがかったものも多かったのですが、今回は無色で透き通っております。

香りは、アルコール強め、苦みが混じっていそうな感じ。吟醸酒のようなアロマ～な香りではなく、アルコールが鼻にくる日本酒らしい感じです。

味については、がっつりと旨味、適度な酸味、そして苦味。フルーツなどを思わせるような甘味はあまり感じられません。旨味からの苦味でキリッとしまる淡麗辛口。これは食中酒。絶対料理に合う晩酌のお供。鮭に合うやつ、というか合わないわけがないといった印象。鮭以外にもあっさりしたものから多少脂っこいものまで、様々な料理と合わせられそうです。

前回の山廃などと比べると山廃らしさのような複雑な個性は弱めに感じます。山廃らしい山廃が飲みたいのであれば、今回の日本酒である必要はないかと思います。ただし今回の酒の目的は「鮭料理に合う酒」。これを追求するのであれば、複雑な味は主張しすぎない、ほどよい主張で鮭の味わいと共生する、ということで最適なのかもしれません。

様々な料理と合わせられそうですが、合わせる料理は鮭以外ありえない！ということで、新潟県村上市の鮭専門店「きっかわ」様より購入しました鮭づくし。普段食べないような部位を中心に気まぐれチョイス。

その中から初回は「かぶと煮」をチョイス。鮭づくしのトップバッターは頭から。一見すると硬そうに見える鮭の頭、その皮から骨まで、鮭の頭があま～く煮込まれております。かつては硬かったであろう骨までも簡単に嚙み砕けるほどに柔らかい。もちろん皮や身はさらに柔らかい。皮はゼラチン質でプリっと。身は簡単にほぐれていく、というか舌の上で溶けます。触感の違いを一品の中で楽しめます。

鮭は骨まで美味い。鮭に対する認識が変わったように思います。

もちろん、酒との相性抜群。甘く煮たかぶと煮の甘味に対して追いかけてくる酒の苦み。そして相乗する旨味が最高。サケ×サケが~~ギャグのように聞こえますが~~良く合います。

後日、ひとくち味噌煮とも一緒に飲みました。もちろん相性は◎。こちらは馴染みのある身の部分なので親しみのある味でした。