菊姫 山廃仕込 純米酒 生原酒無濾過 K-7
製造者 菊姫合資会社
原料米 兵庫県三木市吉川町(特A地区)産山田錦100%使用
アルコール分 19度
精米歩合 70%
今回は石川県白山市の日本酒、菊姫です。菊姫の公式サイトの「菊姫の酒造り」を見てみると、「妥協を排し、手本なき究極を求めて。」から始まり、原料米のこだわり、手作り優先とそれをバックアップするハイテク設備、熟成期間のための広い貯酒場、完全自家精米など、熱く語っております。時には現在の日本酒を「個性と誇りを捨てた日本酒」といったトゲのある厳しい言葉も。とにかく文章や日本酒現物からこだわりを感じます。
今回飲んだのは菊姫 山廃仕込 純米酒 生原酒無濾過です。菊姫は「濃醇旨口」—とのこと。普段の行動圏とは違うところの酒屋さんに立ち寄った時に買いました。小さい酒屋さん(失礼)だったのですが、いかにも日本酒にこだわっている品揃えであり、その中でも多くを占めていたのが菊姫でした。お店の方(おそらく店長さん)から菊姫について親切に教えていただき、菊姫の先一杯(まずいっぱい)は初めての方にも飲みやすいとのことでした。それに対して、「菊姫らしいものはどれですか?」と聞いたところにおすすめされた1本となります。
この生原酒無濾過は毎年12月と2月に出荷されているようです。購入当時は12月ロットと2月ロットが選べる形で陳列されており、わずかな出来の違いを聞いて12月のものを購入しました(詳しい内容は忘れましたが・・・)。とにかく覚えているのは、商品の紹介文(POP)の文末に「大人のネクター」と書かれていたことくらいです。
熟成にもこだわりのある菊姫ですが、こちらは絞ってすぐのもののようです。米は他のラインナップ同様、こだわりのものとなります。酒米の王である山田錦、その中でも吉川町産は特AAAとのこと。そしてしっかりと自家精米のようです。
(※半年くらい前の「しぼりたて」であるため、もしかすると出荷当時に比べて味や香りが多少変化している可能性があります。フレッシュさに影響してるかも?)
冷酒、常温などでチビチビといただきました。まず香りは、わずかな香ばしさも感じるような、濃厚な甘い香りです。フルーツ感もありつつ、カラメルというか、茶色く煮詰めた砂糖が香ってくるようなイメージ。飲んでみると、期待を裏切らない濃厚な甘味、そして酸味と旨味。フルーティーというか、フルーツ以上に濃縮されたように感じます。少し前まで飲んでいた酒(新潟の淡麗辛口が中心)とのギャップがすごかったこともあるのか、飲んだ時に笑いがこぼれてしまいました。舌触りもなんとなくトロっとしているように感じます。原料は米だけなのか?フルーツ混ぜたんじゃないのか?桃とかのジュースを煮詰めて濃縮したんじゃないか?と疑いたくなるくらい、複雑な味わい、甘さ。そして美味い。アルコール度数は19度あるはずなのに、それを感じさせないくらいの濃厚さでした。「大人のネクター」、納得の的確な表現です。
山廃とのことなので、少しだけぬる燗でもいただきました。甘味や酸味が増し、元々強烈な個性がさらに強く感じられます。個人的には甘味、酸味が力強すぎるようにも感じられたため、常温くらいで飲む方がちょうどいいように感じました。力強い個性をより感じるのであれば温めて、ほどよく楽しむのであれば常温~冷酒が良いように思います。
冷や、燗それぞれですごく美味しいのですが、一方でどんな料理やおつまみとあわせるか少し悩みました。個人的には、酒の濃厚さに負けない濃厚な料理か、食後のデザート感覚でチーズなど軽いおつまみかの2択でした。ただし、前者の場合、普通の煮物くらいでは料理が酒に負けて霞んでしまいそう、豚の角煮くらい作らなければならないように思いました。がっつり濃い料理を作る気力がなかったこともあり、チーズや沢庵などといただきました。4合瓶を複数回に分けてチビチビと、ある意味ジュース感覚で飲みましたが、ほとんど料理と合わせずに飲み切ったのは久々な気がします。
公式サイトの熱い語りや、酒屋の方の熱い語りからにじみ出る日本酒へのこだわりが、これでもかというくらい感じられました。他の日本酒も気になります。今度は、しぼりたてだけでなく、こだわりの熟成がみられる菊姫についても飲んでみたいと思います。その際は、味の濃い料理をぶつけてみたいとも思います。中華料理とかどうかな?
参考サイト 加賀菊酒 菊姫(HP)
↑日本酒 菊姫に対する熱いこだわりが語られております。
↓は、無濾過生原酒ではなく、普通の山廃仕込み純米酒。今回のものより火入れ、熟成を加えたもののようです。無濾過生原酒は冬季限定となります。
菊姫 山廃純米 720ml 日本酒 石川 北陸 純米酒 山田錦 濃醇 | ||||
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